プロローグ

2/5
9人が本棚に入れています
本棚に追加
/97ページ
「はい、じゃあ今日はここまで」 「おつかれさまでしたー!」 終了のかけ声とともに女子生徒が一斉に立ち上がる。そう、男子生徒はいない。ここは女子校なのだ、といいたいところだが、女子校でもない。 「コンクールまであとひと息だね」 「うん、そうだね・・・」 「どうしたの美友?なんか元気ないよ?」 「ううん、そんなことないよ!」 美友と呼ばれた1人の女子生徒は、何度も首を横に振った。 彼女が今片づけているのはクラリネット。 彼女―神崎美友(かんざきみとも)は、ここ月丘(つきがおか)高校、吹奏楽部の2年生である。
/97ページ

最初のコメントを投稿しよう!