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シャワーを浴び終え、なだれ込むようにベッドに倒れた。お互い多忙な毎日に溜まっていたのか、荒々しい息使いで求め合う。
充分に慣らされた井本の目は早く早くと俺に訴えかけてくるよう見えた。
井本の腰を軽く抱えて自分自身を宛がうと、
「…まって、」
「ちょ、え、?」
いざ、という直前でストップ。
「ここまで来ておあずけ?いやいやいやそりゃないやろ、いのもと」
井本の「タンマ!」に「はい分かりました」と答えられる余裕なんかなかった。
宛がったままゆるゆると腰を動かすと俺の腕を掴む井本の手の力がより強まる。
あれ、ほんまに無理なんか?
そう思って井本の顔を見ると紅潮した頬に、汗ばむ額、固く目を瞑って、はあはあと息をしていた。
「大丈夫か?」
「、」
上手に声は出なくて、こくんと小さく頷いた。
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