冬のある日

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少女が壁に掛かっている時計に目をやると午前十一時を少し回ったところ。 丁度いい時間なのでデパート内のお店で昼食をとることにした。 たまの贅沢くらい、許してくれるだろう。 パスタを注文して待っている間、周りを見渡してみる。 友人、恋人同士、そして家族・・・ やっぱり私は1人。 と思ったら店内の隅の席に同じように1人で座っている少年に気付いた。 「あの人も1人なのかな?」 なぜか分からないがあの大人しそうな少年が気になってしまう。 歳も同じくらいかな? 注文していたものがテーブルに来てもずっと目が離せなかった。 どれくらいの時が過ぎたのかすら曖昧になってきたそのとき、1人の少女があの少年のもとへ向かって行った。 彼は人を待っていたらしい。 「やっぱり孤独なのは私だけ・・・」 食欲も消え失せて席を立とうとしあ瞬間に先ほどの2人が立ち上がって店を後にした。 立つタイミングを無くしたような感覚になって、しばらく座っていることにした。 目の前の料理には手を付けない。 再び時間の感じ方が麻痺してきた頃に私も店を後にして、そのまま外に出た。
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