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「よく聞けよケイ…。
お前は何度も泣いて帰ってきてるけど悔しくはないのか?
やり返すぐらいの根性はないのか?
相手も一人じゃないのはわかるが、どうせやられるなら一度おもいっきり相手にぶつかって来たらどうだ?
ただし武器を使ったらダメだ。
それでもダメだったらもう一度父さんに話してみろ。
わかったな?」
泣きながら聞いていたが、かなり鮮明に覚えている言葉だった。
それからの自分は単純で、とにかくめちゃくちゃにイジメっ子に仕返しをした。
その変貌っぷりは相当なもので、とにかく相手が何人だろうがイジメようとしてきた人達を返り討ちにした。
両親もここまで変わるとは思っていなかったと思う。
こういう出来事もあったせいか、筋の通る喧嘩に関してはあまり口を出しては来なかった。
中学校での友人達も、ほとんどは一度殴り合いの喧嘩をして和解している事もあり、両親もそれを知っているせいか、友人との付き合い方に関しても特に口は出されなかった。
それを考えると、昔から両親はやりたいようにやる自分を見守ってくれていたのかもしれない。
ただ、自分が勝手な事をやる度に母は父に怒られている様子であった。
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