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「やっぱり親なら心配になりますよねぇ。
自分にも息子がいて家から通ってましたが色々と不安でしたよ。」
運転手と父がなにやら会話で盛り上がってる様子であった。
自分は一切会話に参加せず考え事をしていた。
アイツラは元気かな…。
地元でも三つの高校があるから、全員が毎日顔を合わせれる訳じゃないもんな。
みんな頑張れよ…。
みんなの顔が脳裏に浮かんだ。
「はい!着きましたよ!」
運転手の声で我に帰る。
「そしたら俺はとりあえず教室行ってくるわ。したらまた後で。」
父も「じゃあな。」と一言だけ言い体育館へ向かう。
自分が一年間通う事になる教室は、四階の階段を上がりきってすぐ左にある教室で、1-5の札がかかっている教室である。
四階まで来た自分は、どんな奴がいるかとワクワクしながら教室の札を確認した。
昔から自分はこういった新しい環境に入って行く感覚が好きであり、また小学校の時だけでも親の仕事の都合で四回転校した事もあるせいか馴れていた。
教室に入り周囲を一度見渡し、メガネをかけた60代前半ぐらいの担任の先生と目が合い挨拶をする。
自分の席の場所を聞き大人しく席に向かう。
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