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俺は何を求めてわざわざこの高校まで来たのか…。
別に知らない奴ばかりでもいいじゃねぇか。
ここにいる奴らも似たようなもんなんだろうな…。
少々何かに不満を感じながらも、自分に言い聞かせ落ち着こうと努力する。
そんな気持ちはもちろん知らない担任のT先生が、咳ばらいをして入学式の説明を始める。
「この後体育館で皆さんの入学式が行われます。
終わり次第またこの教室に戻ってきて、次回の登校と授業について簡単に説明致しますので、勝手に帰ったりしないようにして下さいね。
それでは廊下にこのまま出席番号順に並んで下さい。」
クラスの生徒全員が席を立ち、廊下にゾロゾロと並びだす。
自分もあからさまに怠そうな態度で廊下へと向かう。
そして自分の後ろに立っている生徒から、何となく自分と同じ感じのニオイがするような気がした為、話し掛けてみる事にした。
「今日から宜しく。
しかしかったりぃな…早く帰りてぇでや。
俺はケイ…名前は?」
とてもじゃないが初対面に対してする挨拶ではなかった。
「俺はケン…。
これから宜しく。
ホント帰りたいわ!
早く終わらんもんかね。」
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