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「ちょっと待って…。」
慎重に自分の番号を探し、自分の手元の受験番号が書いてある紙と発表用紙の番号を見比べてみる。
そして、とうとう自分の番号を発見した。
「俺も受かってるわ…。」
しかしなぜだろう…。
この時受かってはいたが何か物足りなさを感じていた。
何かが足りない…何かが。
自分の心に不思議な気持ちを感じながら、友人達に向かって話しかける。
「みんな受かってたしムラの家に行くべや!」
「わかったよ~。」
全員が発表前とは違う、軽い足取りで歩きだす。
そして友人のムラが自分に話しかけてきた。
「ケイちゃんは高校どうするの?」
なんとなく今はあまり聞かれたくない質問であった。
実はこの時、自分の中で迷いが生じていた為である。
合格を確認してから自分の中で、何かに対して物足りなさを感じていた気持ちとは、自分の通う高校をどちらにするか迷っているという事に気付いた為である。
「どうしようかな~。」
適当な感じの返事で友人に答えると、少し驚いた感じの表情で
「えっ?迷ってるのかい?
」
と聞いてきた。
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