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ふと、昔の感傷に浸っていたら、あだ名を呼ばれ我に帰る。
昼休みは屋上で弁当を食べる事が定番になっていた。
いつもは永瀬といるが、今日は何やら別クラスの女の子のチェックをするとの事。
楽しんでるねぇ…。
「タマってば!聞きなさいよ!」
「聞いてるから静かにしてくれよ。まわりに食事中の生徒がいるだろうが」
「あっそ」小春は興味無さそうに言うと隣に座った。
「それより、知ってる?」
今回は割と落ち着いている。
毎回、変な雑誌を見せられ、大和ワールドに勧誘してくるか、未確認生命体について昼休みが終わるまで聞かされるかだった。
うん、よく耐えた。俺。
「あたし思うのよ。ほら、事実は小説より奇なり。よくいうじゃない?」
いかん。語りに入ってやがる。
「まて!」
梅干しを一つ無理やり口に突っ込んでやった。
口は閉じるどころか、萎んだ。
「簡潔に言え。俺は貴重な昼休みを有効に使いたいんだ」
「ふっふぁいっ!」(うるさい)
顔面殴られた。
いてぇ…
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