始まり 3

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長い黒髪サラサラではなく、例えるなら。 ファッサファッサ!と豪快に揺らしながら、やつは。 テクテクでもない。 ズカズカと七不思議の一つである図書室に踏み込んだ。 「なんで図書室なんだ。本好きの幽霊でもいるってのか?」 ずいぶんと小綺麗な図書室だが、こんな所にそんなプラズマの塊見たいなものがいるはず無い。 「探すのよ」 ガサガサと本を探りながら小春は言う。適当に古そうな本を取り、パラパラと捲る。 埃と、文化部の青春のような匂いがこっちにまでくる。 「探すったって、何を? 俺には霊感なんてないぜ?」 「大丈夫よ!」 「うおっ!!」 小春は本を直すと、某アニメのように俺のネクタイを掴み、顔が自分の顔の位置になるように引っ張った。 「図書室の幽霊にはちゃんと手掛かりがあるわ!」 どうせ何時に鏡を見たらとかそんなもんだろう? 「幽霊は眼鏡をかけていて、どっかの本棚の隙間から音もなく現れるらしいの!」
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