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長い黒髪サラサラではなく、例えるなら。
ファッサファッサ!と豪快に揺らしながら、やつは。
テクテクでもない。
ズカズカと七不思議の一つである図書室に踏み込んだ。
「なんで図書室なんだ。本好きの幽霊でもいるってのか?」
ずいぶんと小綺麗な図書室だが、こんな所にそんなプラズマの塊見たいなものがいるはず無い。
「探すのよ」
ガサガサと本を探りながら小春は言う。適当に古そうな本を取り、パラパラと捲る。
埃と、文化部の青春のような匂いがこっちにまでくる。
「探すったって、何を? 俺には霊感なんてないぜ?」
「大丈夫よ!」
「うおっ!!」
小春は本を直すと、某アニメのように俺のネクタイを掴み、顔が自分の顔の位置になるように引っ張った。
「図書室の幽霊にはちゃんと手掛かりがあるわ!」
どうせ何時に鏡を見たらとかそんなもんだろう?
「幽霊は眼鏡をかけていて、どっかの本棚の隙間から音もなく現れるらしいの!」
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