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席替えをして彼女の前の席となった。
休み時間になると彼女の周りには瞬く間に人が集まる。
さすが人気者だな。なんて思いながら、僕は周りの男子とジャレ合っていると
「達ちゃん(たっちゃん)ちょっとこっち来てー」
ふと小学校から仲が良い綾香(あやか)に呼ばれる。
「んー??」
と僕は適当に返事をして綾香の所に行くと転入生もいた。
「歩美、あんたと仲良くなりたいみたいよ」
綾香はいきなりそんなことを言いだした。
「は??」
僕は当然意味がわからない事を言われマヌケな声がでる。
「ちょっ!!綾香!!」
彼女は何やら焦って、綾香の腕を引っ張っている。
「いいじゃない。本当のことだし。」
と少し横暴に綾香が言うと彼女は諦めたように口を開き
「もうっ…
あのね、私…荒くんと余り話したことないし、席近いし仲良くなりたいなって…」
僕よりかなり小さい彼女は必然的に上目ずかいになりながら喋る。そのことに少しだけ胸が高鳴った。
その事を悟られないよう
「あぁ。いいよ!宜しくね」
と僕は明るく笑顔を向けると彼女も
「うん!宜しくね!」
と笑いかけてくれた。
これが彼女と僕が仲良くなりはじめた最初の出来事だ。
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