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そこは街灯で薄く明かりで照らされていた...
「ほぉ、なぜ逃げない?なぜ叫ばない?」
声の主の足下には赤いモノがあり、目の前には子供がいた。
子供は、泣くわけでもなく、体を震わせるわけでもなく、ただ目の前に立つ絶対的な死をもたらす者を見ていた。
「その目、気に入らんな....ちょうどいい、どれ、俺好みに変えてやろう。」
声の主はどこからか取り出した紅い石を子供の胸に押し当てた。
すると溶けるように中に入っていく。
「どうせ成功はしないだろうがな。―――ちッ、もう限界か...ガキお前の死体処理ができないのは残念だが、せいぜい苦しんで死ぬんだな。」
そこには最初からなにもいなかったように声の主はいなくなった。
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