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ティナ狸子助著
《それでも、明日を見つめてる》より抜粋させていただきました
「あ、あれ?」
何気なく車窓を見ていた僕の目に飛び込んできた、コンビニ。
前面には、見慣れたレンガ調の装飾が施されているけれど……
あの店舗、プレハブだ。
「ここら辺から先が、津波が押し寄せて来た場所なの」
僕の住む、神奈川を出てから8時間。
仙台市内、高速道路上と、津波の爪痕を一切目にしていなかった僕の目に、初めて飛び込んでくる、津波の、痕跡。
「あーっ!あさみん!ほらっ!道が出来てるっ!ティナさん、あそこは線路だったのっ!」
コンビニの対角線、道路を挟んだ先に、真新しいフェンスと、アスファルト。
僕の脳裏に、以前テレビで見たニュースが浮かぶ。
線路跡を舗装して、バス専用道路を整備するって言う……あれか!
「凄い凄い!復興してるよっ!」
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