奴隷の国

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少年は、挙動不審に周りを見渡して、結局めぼしい人を見つける事ができなかったらしく、観念したかの様に下を俯きながらこう返した。 「城壁で手を振り返したのは僕です。 遠かったので、顔が見えるとは思ってなんかなくて、そのすいませんでした。 今から帰るところなんで案内する事はできませんごめんなさい」 何故か少年は手を振り返した事を謝り、とても自分の事を卑下した扱いをしていた。 アルはこの少年にとても興味を持った。 「君の名前はなんて言うの? 良ければ教えてくれないかな?」 少年は少し考えた後やはり申し訳なさそうにアルにこう告げた。 「すいません。 僕名前という物は無いんですよ、もし呼び名があるとするなら7番位です」 少年はそう言うと肩に付けられた7と印しが付いた焼き印の跡を見せまた申し訳そうに頭を下げた。 この時アルは少し遅いながらも宿屋の主人のサクさんが言っていた事を思い出した。
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