72人が本棚に入れています
本棚に追加
「で、純は何があったの? 何かあったから此処に居るんでしょ? 私で良ければ話聞くよ?」
なかなか自分の事を話したがらない純だったが、本当に困っていたらしくポツリポツリと今の状況を話し始めた。
純が言うには、何日か前から知らない男につけられていて、さっきも余りの怖さに逃げてきたらしい。
どうりで隠れるように座っていた訳だ。
「ふーん、ストーカーかぁ。ま、純は美人だしね。私で良ければソイツ捕まえてやるよ。こー見えて剣道強いのよ?」
ちょっとした女同士の友情が芽生え、今日も仕事の合間に純に近付く不審な男がいないか見張っていたのだ。
純の住んでいるマンションを見張るのにベストポジションがこのベンチな訳だが、何故ベンチの上に佇んでいるのかというと、20分程前の話になる。
いつも通り公園のベンチで読書をする女子大生を演じていたジョニーだったが、純の部屋の前をウロウロする明らかに不審な人物が視界に入ったのだ。
「アイツが女の敵か!」
顔写真を撮る為に立ち上がり、デジカメを構えるまでは良かったのだが、その人物がしゃがんでしまったらしくギリギリのところで顔が写らない。
最初のコメントを投稿しよう!