さより

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中学二年と言えば、難しい年頃だ。 スポーツに燃え、勉学に燃え、恋愛に燃え、青春に燃える。 親を疎み、環境を疎み、生まれを疎み、大人を疎む。 難しい年頃だ。 大人扱いも、子供扱いも嫌がる。 “難しい年頃”だ。 さよりは、そんな年頃真っ只中。 中学二年の女の子。 女の子の趣味は、広い範囲に及ぶ。 アイドルグループや恋愛、音楽に運動、化粧にファッション、プリクラにガールズトーク、etc.etc.. 中学二の女の子と言えば、枚挙(暇(無い程、のべつまくなし、あらゆるジャンルに目移りしている時期だ。 さよりを除けば、殆どの女の子が、その小さな両の手をいっぱいに広げて、多種多様なジャンルに果敢に挑戦しているだろう。 多感な年頃だからこそ、あらゆるジャンルに瞳を巡らせるのだ。 しかしさよりは、そういった女の子とは、大きく違った。 さよりは、趣味を持たない。 さよりの瞳には、ファッションも運動も恋愛もsexもアイドルも映りはしない。 それらは全て、全部が全部、友達作りの道具、コミュニケーションの一環、他者へのアピール道具、だからだ。 さよりは、他人と関わろうと思わない。さよりは、他人と関わり合いたいと思わない。さよりは、他人との関わりを必要だと思わない。 すなわち、さよりは他人との関わりを、望んでいないのだ。 つまり、さよりは友達を作らない事に、積極的な女の子なのだ。 とどのつまり、さよりは友達を作らない事に、必死な女の子なのだ。
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