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それから何年かが経ちました。指輪は、誰かに呼ばれて目を覚ましました。
見ると、指輪を呼んだのはあの青年でした。
青年は指輪を呼びながら、ずっと泣いていました。
どうして泣いている?
「指輪よ、指輪よ、また欲しいものがあるのです」
「実は、村の近くに恐ろしい竜が現れ、娘をいけにえに差し出せと言うのです」
「今まで大事に大事に育ててきました。なのに、それなのに」
「ああ、
力を下さい、指輪よ」
「作物をも荒らすあの竜に村の人は苦しめられています」
「怪物を倒す力を下さい」
指輪は、自分を青年の指に填めるように言いました。
言われた通りにすると、ひ弱だった青年の腕には、とてつもない力が沸き上がってきました。
どんな怪物にも負けない程の力を、青年は手に入れたのです。
青年は剣を取り、竜の元へ急ぎました。
そして、3日3晩戦った挙げ句に、とうとう竜を殺しました。
村の人は喜びました。
作物が荒らされたり、
女の人が連れて行かれたり
しなくなったのです。
青年は、村の勇者になりました。
指輪は、彼の指で青く光り続けました。
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