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先に動いたのは神崎であった。
一直線に駆け抜け、再び噴上を目指す。
頭上から降り注ぐ火炎は後退して避け、止むと再び走り出す。
「小賢しいってんだよぉ!」
噴上は息を大きく吸い込み、今度は小刻みに息を吐き出す。
神崎に降り注ぐ火炎弾。彼はジグザグに走りながら、それらを回避していく。
「オオオオオオッ!」
雄叫びを挙げながら、神崎は駆け上がる。そのままの勢いで地面を蹴り、高く跳躍。
「喰らいやがれえぇ!!」
踵を振り上げ、噴上に叩き込もうとする。しかし、炎を勢いよく吹き出した彼はその反動で後退しやり過ごした。
衝撃で激しい放電が巻き起こる。足場は崩壊し、音を立てて落ちていった。
粉塵の中から神崎が姿を見せる。来ている服は汚れてしまったが、彼は傷一つ負ってはいなかった。
鋭い眼差しを噴上にむける神崎。そして、不敵な笑みを浮かべると言った。
「遊びは終わりだ…次で決める……!」
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