VS 噴上竜也

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 言うが早いか、神崎は休む間も無く走り出す。 「だから、何度やっても無駄なんだよぉ!」  噴上は叫び、再び息を吸い込む。今度のそれはかなり長かった。彼も次で終わらせるようだ。  一段、二段と踏み上がっていく神崎。勢いよく飛び上がると、噴上の目の前に姿を現した。  そのまま勢いを殺さずに突っ込む!  噴上も身体を大きく仰け反らせ、最大級の火炎を放とうとする!  ………しかし、 「っっっ!?」  噴上の舌先に痺れるような感覚。  一瞬、しかし神崎にとってはそれで充分であった。  足元に貯めた電気を一斉に放出、そのまま地を蹴ると、身体を捻りながら蹴りを繰り出す。 「雷蹴(ライシュウ)ぅぅぁ!!」  足の側部に収束した電気は巨大な球状となり、遠心力により勢いよく噴上に叩き付けられる! 「ぎゃあああばばばっ!」  凄まじい音と共に球体は放散し、激しい電撃を引き起こす。それに包まれながら、噴上の身体は彼の背後の壁へと勢いよく叩きつけられた。  放電は暫く続き、それが止むと噴上はゆっくりと地面に倒れ込んだ。  そこに近寄る影。それは神崎だ。  ゴーグルに手を伸ばすと、力づくでそれを抜き取る。そのまま持ち去ろうとする彼の手は、もう一つの手に掴まれた。 「悪ぃな、これ持って帰んねぇとアイツが納得しないんだ」 「おま……チーム……リーダ…」  息も絶え絶えに、噴上。 「あ、なに?リーダーは誰かだって?」  この問いに神崎は、ニヤリと犬歯を剥き出しにして叫んだ。 「決まってんだろ、俺様だ!俺がリーダーなんだよ!!」
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