PROLOGUE

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「蹴雷(シュウライ)ッ!」  叫び、地面に踵を降り下ろす少年。  凄まじい音を立て、稲妻が地面を駆け巡る!  地に足を着けていた男達は電撃に襲われ次々と倒れていく。身体が濡れていたためよく通るようだ。  気が付くと、その場に立っているのは少年と、彼よりも高い位置にいるゴーグル男だけとなっていた。 「……なかなかやるじゃねえか……」  男の表情にもう余裕は無い。真剣そのものだ。 「だが、この【ブレイズ】の噴上竜也、そう簡単にやられるわけにはいかねぇ!」  大きく息を吸い込む男。 「喰らいやがれ!炎吐息(エンブレイズ)ぅ!!」    男が息を吐き出すと、広範囲に渡って火炎が降り注ぐ。  少年は前転を繰り返すことで回避。  しかし起き上がった瞬間を狙って、今度は火炎弾。  咄嗟に避けようとするも、先程焼かれた脇腹が痛みを発したため、僅かに遅れてしまう。 「っっちぃ……」  直撃は免れたものの、左肩にダメージを追ってしまった。 「かははっ!アレを避けるたぁ大したもんだ!」  噴上竜也は大声を挙げて笑う。実に楽しそうだ。 「見たところ雷属性か。面白ぇ!ヤる前に名前だけは聞いといてやるよ!」  苦痛で顔を歪めながらも、少年はニッと笑う。 「ああ、冥土の土産に教えてやる……俺は……」 「俺様は神崎京志郎!【紫電(シデン)】の京志郎だ!!!」
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