第1章

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「魔王の下僕(サタンサーヴァント)!?本気でおっしゃってるんですか、お客様?」 今度は妻の方が口を開いた。 魔王の下僕(サタンサーヴァント)。 古くから魔王を信仰し、多くの事件を起こしている組織であり、この街を占拠している組織でもあった。 「ええ、それも今夜ね」 彼女は涼しげに爆弾発言をした。 「おい、やめろ!言ってどうすんだよ?」 テラは諌めるようにエリスに言った。 「いいじゃない。別にどうなるものでもないんだから」 「なるわ!そういう事を敵陣真っ只中で言うなっつうの。すいませんねぇ。変な話聞かせて」 「できるんですか?」 テラが誤魔化そうとすると、夫は急に真剣な表情で二人に問うた。 「…ああ。できるよ。俺達ならな」 テラもまた真剣な表情でそれに応えた。 「ではお願いいたします。…私達の息子を助け出してください」 その時、夫婦は土下座していた。
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