1章 願いごと

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「よし、今日はこのぐらいにしておくか」 書いたものをUSBに保存して、パソコンの電源を切る。 もうこんな時間……早く風呂に入らないと。 俺は、西野 湊。高校一年生で一人暮らしをしている。 料理は苦手だったが、一人暮らしでそれは致命傷なので猛勉強。今では、得意分野になっている。 ただ、掃除は苦手で、片付いているのは日頃使う部屋だけ。それ以外は、倉庫みたいになっている。 父親は、一昨年に他界。ただ、ほぼニート状態だったため、いなくなっても特に悲しくはならなかった。 母親は、俺を養うために上京している。向こうの友達と楽しくやってるらしい。 さて、俺がさっき何を書いてたかと言うと、自作小説だ。 俺は、小説家になりたくて、毎日こうして小説を書いている。 ジャンルは、ホラーとファンタジーを主に書いている。 今まで計り知れないほど書いてきたが、すべて蔵の中。山積みの原稿用紙が、部屋を乗っ取っている。 でも、明日は終業式。今までの生活を変える『あれ』をやるチャンスだ。
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