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……ふぁ~。
ここはどこだ?
確か空き教室で『あれ』をするために、夕方になるのを待っていたはず。
「って、今何時だ!?」
勢い良く立ち上がると、椅子が『ガタンッ!』と大きな音を響かせた。
外を見ると、もう日が沈みかけている。
急いで『あれ』の準備をする。
五十音や鳥居に、はい、いいえなどを書いた紙を机に置き、その上に十円玉を置く。
そして、十円玉の上に人差し指を置いて、『こっくりさん』を呼ぶ。
「こっくりさん、こっくりさん、おいでください」
すると、十円玉が鳥居の上に動いた。
ほ、本当に来てくれた!
「こっくりさん、いくつか質問していいですか?」
十円玉が『はい』の上に行く。
「俺は、今小説を書いているんですが、続けることに意味はあるんですか?」
すると、十円玉は次々と文字の上に止まる。
『け・い・ぞ・く・は・ち・か・ら・な・り・ち・か・く・て・ん・き・が・お・と・ず・れ・る』
よっしゃ。転機が訪れるだって。嬉しくて、思わず飛び上がってしまった。
この時、にわか仕込みの知識しか持っていなかった俺は、『こっくりさん』の途中に指を放してはいけないことを知らなかった……。
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