1章 願いごと

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『ガタガタガタガタ』 な、何の音だ!? 冷静になって見ると、目の前のこっくりさんをやっていた机が震えていた。 いったいどうなってんだ? しばらく見ていると、十円玉が勝手に動き出した! 『い・ま・す・ぐ・そ・ち・ら・に・い・つ・て・こ・ろ・し・て・や・る』 えっ……?コロシテヤル? 何を言われたのか、衝撃的過ぎて理解出来ないでいると、十円玉は鳥居の上で止まって机の揺れはますます激しくなってきた。 早くここから逃げないと! そう思った時には、もう遅かった。十円玉が輝き、光が俺の視界を奪った。 あぁ、お母さん、先立つ不幸をお許しください。どうやら先に父さんの方に行くことになるようです。 …………………………… 「お~い、生きておるか?まさか死んではおらんだろうな?」 何だろう?人の声が聞こえる。もう天国に来たんだろうか? 「う~む、息はしておるようじゃな。それならば……さっさと起きんかい!」 『バシッ!』 「ってぇな!いきなり何しやがる!それでも天使か!?」 「天使?お主、何を寝ぼけておるのだ?お主はまだ死んではおらんぞ?」 へっ?俺生きてるの? よく見ると、俺はさっきいた教室にいた。 そして、俺以外にもう一人……。
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