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「あの~、大丈夫かな?」
「心配いらん。どうせ直に目覚めるじゃろ」
う~ん。何か知らないけど、声がする。とりあえず、元の世界に戻れたんだろうな。
「真理、おはよう」
「む。湊、おはようじゃ」
「よ、良かった。大丈夫かな?」
「あはは、全然平気だよ。真理たちに、しょっちゅう気絶させられているからね」
「そ、それは湊が悪いんじゃ。お主が世界を渡れる力を持っていないから、そうするしかないんじゃ」
「そんぐらい、分かってるよ。じゃないと、今頃怒ってるしな」
「はぁ。仲が良いんですね」
「まぁ、こんな冒険するのに仲が悪かったら、あっという間に死ぬからな」
「そうですよね。羨ましいかな」
「何言ってんだ?お前も仲間なんだから、同じだろ?」
「仲間?私がかな?」
「当たり前だろ?俺たちみんな、これから仲間だ」
「……嬉しいかな」
「ところで、お前の名前は?」
「名前?そんなもの、ないかな」
「じゃあ、加奈ってのは、どうだ?」
「加奈?」
「そう、加奈だ。嫌なら別の名前を考えるが?」
「ううん、そんなことないかな。私の名前は加奈。加奈が良い」
「そっか。なら、これからよろしくな、加奈」
「こちらこそお願いするかな」
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