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「湊さん、起きてくれないかな?」
「加奈、こうゆう時は、こうするのが一番じゃ」
『バシッ!』
「いってぇ~!何しやがる!」
「ほらの?」
「そんなことして、大丈夫なのかな?」
「大丈夫かと言われたら、大丈夫じゃねぇよ?いてぇもん」
「ですよね。普通の人ですもんね」
「大丈夫じゃよ。隼が平然としてるんじゃから」
……隼?
そこで、初めて周りを見渡した。自分は床に倒れていて、周りには大量の机と椅子が、一定感覚で配置されている。そして、壁には大きな黒板が。
そこまで把握して、ようやくここが『教室』だと理解した。
そして、いつの間にか、隣に隼がいた。
「湊、オーバーに痛がるもんじゃねぇぞ?」
「隼、お前はもうちょっと自分の体を大事にするべきだと思うぞ?」
「……?何のことだ?何でみんな目を逸らすんだ?」
いや、お前が怪我に対して、異常に鈍感なのは前から知っていたが、まさか血をだらだら流しているのに気付かないなんて……。
「あの~、一つ聞きたいんだけど、その赤い液体はなにかな?」
「あぁ、これ?大丈夫、ただの血糊だよ。この世界に来た時に付いたんだって、芽瑠が言ってた」
「そうだと良いんですけどね」
前から、バカだバカだと思っていたが、ここまでとは……。ある意味すごいよ。
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