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「芽瑠、隼に何をしたんじゃ?」
「大丈夫、普通に起こしただけ」
「普通にとは?」
「教室にあった花瓶から、花と水を抜いて、キレイにしたあと、それで頭を叩いただけ」
「それは、普通とは言わねぇよ」
それどころか、普通の人なら、二度と目覚めなくなると思うぞ。
隼のやつ、頑丈に出来てるのは良いことだが、このまま出血し続けていると、そのうち死ぬぞ?
「芽瑠さん、このままだと、本当に危ないかな?」
「芽瑠、とりあえず気絶させるんじゃ」
「……?何が危ないの?それに、気絶させるって、いったい誰」
『トスッ』
隼が言い終わる前に、なんとも間の抜けた音がして、隼の意識が刈り取られた。
芽瑠さん?あなたは、いつの間に隼の後ろに回って、いつの間に手刀を振り下ろしていたんですか?
「これでいい?」
「あ、はい。あとは、止血して顔に付いてる血を拭えば大丈夫かな」
「それにしても、お主は忍者か?なんじゃか、妙に手慣れておるように見えたぞ?」
「このくらい、基本能力。誰だって出来る」
現代人に、こんな能力持ってるやつなんか、いねぇよ。それこそ、未だに日本を『侍の国』とか言ってる外国人じゃあるまいし。
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