2.

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軽く苓の肩を揺する。 う~んと小さく反応をするが、全く起きる気配がない。 「咲は怖いし……、放っといて帰りましょうか? って、愛華先輩、はやっ!」 調度扉を開けた所で、 「チャラ男、行きま~す!」 と宣言して出て行った。 「二人の時間は邪魔しちゃダメよ。匠くんも自分のハニーの元に帰っちゃいなさい。あらっ? 今はダーリン? よく変わるからわからなくなっちゃったわ」 「……ノンケです…」 からかわれてるのが分かってるのに、ついつい反論してしまう自分に呆れつつ、念を押す。 「生徒会では貴重なノーマルですから!」 「あらっ? 苓ちゃん&咲ちゃんもノーマルかもよぉ」 「さっきと言ってる事違いません?」 「こんなに長い間一緒なのに、いつまでも敬語なのが可愛いのよねぇ。食べちゃいたい! どう?」 「全力で断ります」 「もう、ほんと真面目くんなんだから。生徒会役員なんだから、適当に遊んで、全校生徒を楽しませてあげなきゃ。それも私たちの仕事なのよ?」 妙に色気のある仕草で、匠を見上げる。 幼稚舎からいる匠には、生徒会の色恋沙汰が、男しかいないこの学園の娯楽みたいになっているのは知っている。 話題を提供するのも必要な事だと分かっているから、 「明日からは王道転校生に懐くので、大丈夫でしょ?」 と言った。 累はちょっと残念そうな顔をしたが、メモに何かを書くと机に置いた。 「まあねぇ。……もう私や愛ちゃんはダメだけどぉ、匠ちゃんはまだ諦めなくていいと思うけど?」 累の視線が苓を見る。 パァッと匠の顔が赤くなる。 可愛いいーって言いながら、累は匠の腕をとって、 「まだ決まってないみたいだしー、私は匠ちゃんを応援するわぁ。さぁ、明日に向けて、体力付けなきゃ。たまには一緒に食堂行きましょう?」 強引に引っ張って行った。
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