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~田崎大和Side~
さっきから開いた口が塞がらない。
うねうねと山道をひたすら登ってきたと思ったら、タクシーから下ろされた所は、巨大な門の前。
見上げる程の高さの塀に似合うと言えば似合う巨大すぎる門、こんなのが開くのだろうか………。
って言うか……、
入りたくない。入ってはいけないような気がする。
むしろ逃げなきゃ行けないような気になる。
きっとこの先は異次元の世界だ。
ものすんごく嫌な予感がする。(当たった事ないけど……)
帰ろう。
きっと正解だ!
タクシーは帰っちゃったけど、一本道だったから、この道をずっと下って行けば街に付くはず。
あっ、でも荷物寮に送っちゃったけど………、ちゃんと着払いで送り返してもらえばいいか。
帰る事に決め歩き出そうとした時、声をかけられてしまった。
「貴方が転校生ですか?」
「はっ………………………………………そうです」
目の前の自由と言う名の扉が閉じられてしまった。
遅かったぁ………。
見つかってしまったからには、逃げる訳にはいかない。っていうか、逃げる勇気が………。
声をかけてきた人は、じっとこっちを見ている。
怖い…………かも。
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