3-①

2/15
2220人が本棚に入れています
本棚に追加
/750ページ
~田崎大和Side~ さっきから開いた口が塞がらない。 うねうねと山道をひたすら登ってきたと思ったら、タクシーから下ろされた所は、巨大な門の前。 見上げる程の高さの塀に似合うと言えば似合う巨大すぎる門、こんなのが開くのだろうか………。 って言うか……、 入りたくない。入ってはいけないような気がする。 むしろ逃げなきゃ行けないような気になる。 きっとこの先は異次元の世界だ。 ものすんごく嫌な予感がする。(当たった事ないけど……) 帰ろう。 きっと正解だ! タクシーは帰っちゃったけど、一本道だったから、この道をずっと下って行けば街に付くはず。 あっ、でも荷物寮に送っちゃったけど………、ちゃんと着払いで送り返してもらえばいいか。 帰る事に決め歩き出そうとした時、声をかけられてしまった。 「貴方が転校生ですか?」 「はっ………………………………………そうです」 目の前の自由と言う名の扉が閉じられてしまった。 遅かったぁ………。 見つかってしまったからには、逃げる訳にはいかない。っていうか、逃げる勇気が………。 声をかけてきた人は、じっとこっちを見ている。 怖い…………かも。
/750ページ

最初のコメントを投稿しよう!