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~苓Side~
放課後、生徒会役員室で僕は燦ちゃんにお説教されてます。
いつもは庇ってくれる咲も匠も、とにかく皆怖い顔してるんだよ。
僕、泣きそう。
「だって、だって本気に可愛かったんだもん! こう、ぎゅっとしたくなるような………、ちゃんとシナリオ通りにやったんだよぉ……」
じろっと燦ちゃんに睨まれ、最後の方は声が小さくなる。
正門での転校生との出会いのシーンから、僕は失敗したらしい。
あっ、燦ちゃん&生徒会親衛隊の燦稀選別隊(燦ちゃんの萌え仲間)は、当然覗いてたんだ。
なんでも僕が大和にキスした時、飛び出そうとする燦稀を押さえるのに数人がケガをしたとか…………、反省してます。
「それに、生徒会役員が転校生に惚れるの! 惚れられてどうするんだよ」
「そんなぁ……、惚れられてなんかないもん!」
抵抗を試みるが、
「いや、確実に苓を好きになってたよ」
匠君………、ワンコはしゃべらないでぇー。
「腹黒オーラは0だし……」
「だから苓に副会長キャラは無理だって言っただろ?」
咲はブスッとしたまま、燦ちゃんを睨んでる。
「はぁ…、まぁ、それは分かっていたんだけど……、副会長から王道は始まるからなぁ……」
咲の言葉に燦稀が頭を抱える。
「でもぉ、大和ちゃんは王道なぁのぉ? 匠ちゃんから聞いた話だと、ちょっと違う気がするんだけど?」
ちょっとだけ怖い色気を振り撒きつつ、累ちゃんが頭を撫でてくれた。
「確かに門は乗り越えて来なかったし、眼鏡も鬘もなかったよ。敬語も普通だったし、でも、笑った顔はびっくりするくらい可愛かった!」
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