22人が本棚に入れています
本棚に追加
闇夜に生える汚き草
もう駄目だ。
今月の給料を1日で全て失ってしまった。
妻に合わせる顔がない・・・
せっかく、
滞納していた家賃を借りる事が出来たというのに。
房江は出来た女だ。
俺のようなだらしない男にはもったいないとつくづく思う。
畜生、パチンコなんてやらなければ・・・
閉ざされたシャッターの前で初老の男性は地面に尻をつきながら顔を下げていました。
「あまり房江を泣かせるんじゃありませんよ」
彼は突然の声に顔を上げ、深く被ったベレー帽を指で押し上げながら私に言葉を返してきます。
「房江? 房江って誰ですか? それより貴方は誰? 」
私に興味を持ちましたね、掴みは問題なさそうです。
最初のコメントを投稿しよう!