西暦 3200年

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どこの国にでもありそうな住宅街にそれはポツンと佇んでいた。 街中では何でも屋として贔屓にされてはいるが、裏は違う。 分かる者にしか分からぬ、店。 名前は “WANTED” 店の中にはある一人の男が部屋の真ん中に置かれている椅子に腰掛け、デスクの上へと無造作に足を乗せていた。 部屋の中は殺風景だった。 ここに住み、生活をしているのか分からないくらいに物という物は無い。 眠っているかのように見える男は、誰ともしらない誰かの訪問を待っているかのようにただ静かに椅子に体を預けていた。 「………」 ーチッ…チッ…チッ…ー 部屋の隅に置かれている時計の時を進める音が聞こえるくらいに静かだった。 …と、そこに 「ブレット。 仕事持ってきてやったぜ。」 一人の男がノックもせずに店内へとやってきた。 「………今回の仕事は何だ?」 眠っているかのように見えた男の名はブレット。 ブレットは静かなで低い声で尋ね人に話しかけた。 店に来た男の名はイース。 見た目は優しい人くらいには見えるだろう40代。 「今回もお前には似合う仕事だな。」 口元を緩めながら言うイースにブレットは納得したような表情になった。 「取引額は?」 「御上さんはお前の腕を見込んで500万払うだとよ。」 「……舐められたもんだ。 ここいらじゃ、俺の名を聞いたらどの位の腕なのか分かるはずだろうに。」 小さく笑うブレットにイースは溜め息をついた。 「それは、違うな。 御上さんが何でそんな大金を払うのかは別にある。」 意味深な言葉にブレットは眉を寄せた。
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