最後の恋 (Ⅳ)～リナとアツのその後

12月

時間がどんどん過ぎていく

こんなはずじゃなかったのに…

ライヴの時間も刻々と近づいてくる

『もうそろそろ会場に向かうか』

『うん…』

重い空気のまま駐車場に着いた

車を止めると後ろから小さな紙袋を出して
笑顔で差し出す

『お誕生日おめでとう♪』

『あ、ありがと』

『ほら、機嫌直して』

『プレゼントでごまかそうとしてる？』

『そんなことないよ』

最後まで可愛くない私。