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「っと、本来の目的を忘れるとこだった」
ニヤリと笑って、悪魔は俺へ向き直る
さっきまでの激昂はどこへやら、再び冷静になる思考。
でも死を悟った瞬間とはまた違う、死ぬ覚悟じゃなくて生きる覚悟をしたからか。
「改めて死んで貰おうか」
『だが断る』
ゆっくり立ち上がり不敵に笑って見せる
一瞬で距離を詰められ黒い槍が振り下ろされる。
切っ先を紙一重で避けると今度は横薙ぎ
これも反射的に後ろへ跳ぶ
大丈夫、反応できる
「ッち…、無駄な事を」
『無駄で結構、簡単に死んで堪るかよ』
尚も繰り出される一撃一撃を正確に捉え、全て紙一重でかわし続ける。生まれて初めての命のやりとりに脳内麻薬が絶えず分泌され、笑みが絶えない、疲れもない
『動きは全て見切った…とは言えねーけどよ、何とかなりそうだわ』
「…人間風情が舐めるなよッ!」
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