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文字通り目にも留まらぬ速さで繰り出される攻撃を勘と本能だけを頼りに避ける
「死ねェェ!!」
遂に頭に血が上った魔物が黒く光る槍を斧へ変化させ大上段に振り上げた
――大上段は威力こそあれど隙も大きい、特に得物が重ければ重いほど愚鈍に成りやすいものだ――
俺は一気に間合いを詰め、今まで学んだ全てを込めた
金 的 を 放 っ た
すまんふざけた、本当は上段蹴りだ
可愛らしい装飾の施されたブーツの爪先が魔物の顎を捕らえ、身体ごと吹っ飛ぶ
「はっ、どーだ?人間如きにぶっ飛ばされた気分は」
「…どうやら貴様を過小評価していたようだ。ニアよ、憎いか?貴様の家族を殺した俺が」
ゆっくりと立ち上がり魔物は嫌な笑みをこちらへ向ける、そんで変な質問をしてきやがった
憎いか?
愚問だな
「憎いに決まってんだろ?」
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