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宇野は上機嫌の2人を見て、呆れたような顔をしている。
あたしはそんな宇野に、聞こえるか聞こえないかくらいの声で言った。
勇「(ボソッ…ありがとう…」
あたしは言った後、すぐに俯いた。
男に、『ありがとう』と言ったのは、初めてだった。
だから、何だか気恥ずかしくなった。
勇「(…やっぱ、言わなきゃよかった…///)」
と思っていると…
クシャッ
突然、頭を撫でられた。
全く予想してなかったことに、反射的に顔をあげた。
でも、宇野はサッサと2人のいる方へ行っていた。
あたしは、頭に手を置いて呆然としていた。
男にはもちろん、親に撫でられた記憶もほとんどない…
でも、不思議とイヤだという気持ちはなくて、むしろ嬉しいという気持ちがあった。
勇「(何か…不思議なヤツ…)」
聖「おい松尾(姉)、行くぞ。妹を助けんだろ?」
勇「あぁ。」
そして、あたしは宇野たちと一緒に優子を助けるために、奥の部屋へ向かった。
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