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晶「それでも…聞きたいかい?」
優「…はい。」
私は晶さんの目を真っ直ぐ見て、頷いた。
晶「優子の目は…アイツに似ている。」
優「アイツって…母さん?」
晶「あぁ…アイツも、今の優子と同じ目をしていた。」
優「………(そうだったんだ…)」
晶「でも…アイツはもともと病弱で、よく寝込んでいた。母さんが死んだのは、覚えてるかい?」
優「うん…(私…すごく泣いてたから…)」
晶「それからは、私が一人でお前たちを育てたんだ。」
優「…うん…」
晶「でも、ある日仕事に失敗してしまって、酒に溺れるようになった。」
優「えっ?」
私は驚いた。
こんなに優しそうな人がお酒を飲むなんて、想像もしなかった。
でも、次の言葉を聞いて、私は目を見開いた。
晶「そして、2人に…勇子と優子に暴力を振るった。」
優「⁉」
晶「イヤ…正確には勇子に…か。」
優「どう…して…?」
晶「勇子が言っていたよ…『お願いだから…優子には手を出さないで…あたしが…全部あたしが受けるから…』と…自分と変わらない、でもたった一人の妹を護るために…」
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