失望期

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あの頃の私は、恋人がマンションの屋上から身を投げて亡くなり、幾年か時間が経って付き合った恋人も、別れたあとに大量服薬で亡くしました。 悲しいというよりも、悔しくて。 もう一生、本気の恋なんて出来ない気がして、それを疑うこともなく、生涯独身でいるんだろうなぁ、と思っていました。 だから、きっとあなたを本気で好きなんじゃなかったんだと思います。 ただ少しだけ、気になる人でした。 荒んだ人生にひとときの、画面の中のほっこりだったのです。
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