第一章 天使の雛

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第一章 天使の雛

 ミスティルト大陸連合軍附属フィネリア兵士養成学園。大国エスガートとの戦いのために、新兵の段階で高い練度を持つ兵士を産み出すための機関。数あるそれらの中でもとりわけ名門と名高い学園だ。  アイリス・キーフォースはその名門の校舎に吸い込まれていく生徒を見て、密かにため息をついた。 「木を隠すには森の中、って思ったんだけどな」  周囲を歩く生徒のレベルが、思いの外低い。これでは自分が少し下手をするだけで目立ってしまう。自分の力を埋もれさせ、目立たないようにひっそりと生活する。それは中々に神経を使う作業になりそうだった。
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