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医師の指示通りに決められた日、時間にするセックスは、機械的で感情を無視したものだった為、抵抗があったし、薬の副作用で嘔吐を繰り返す妻を見る事は辛かった。 心の隅に、体調の悪い妻を裏切り続けるよりも、元の妻に戻ってくれた方が気が楽になるのではないかという打算もあった事は否定できない。 「私は頑張りたい。あなたの子供が欲しいの。」 妻は今にも泣きそうな顔で訴えてきた。 「お前が苦しむのは見てて辛い。俺はお前がいてくれればそれで良いんだ。赤ちゃんは自然にまかせよ?」 「でも…」 「大丈夫だから…」 そう言って優しく抱き締めると、妻はしぶしぶではあったが納得した。  
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