Prologue

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突然、ボクの目の前を大量の画鋲が舞った。 あまりに突然で何が起きたかわからないが、とりあえずボクの名前は、 文祢杞憂。 それで、ボクのとなりで目の下にものすごいクマをつくってる無表情なのが、ボクの双子の弟、螺憂だ。 「わっ、ごめんよらーくん!」 今片付けるね、と、ボクらより少し高い位置から声が降ってきた。 なので見上げると、かなり高いの脚立の上からいそいそと降りる女子高生がいた。 彼女はシルフィー。 ボクらの幼なじみであり、ハーフだ。 シルフィーはそのハワイアンブルーの髪をふわふわさせながら、かがんで床に散らばる画鋲を拾いはじめた。 ………ああ、なるほど。 画鋲を上から撒き散らしたのか。 「うっひゃー、きーくん血まみれだっ! 大丈夫?」 ふいにシルフィーがボクを見上げた。 へ? と、ボクはきょとんとして、それから顔を大量の血液が流れていることに気がついた。  
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