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「とりあえず、授業が終わったらサーシャさんとその使い魔さんは私のところにくるように。あと、使い魔はパートナーであって、物でも下僕でもありません。いいですね?」
「っ……、はい……」
よかった。なんとか物扱いは免れそうだ……。
先生の言葉に項垂れるサーシャさんと、勝ち誇ったような笑みを浮かべるリシェさん。
「なら問題はないよねっ!」
そう言いながら摺りよってくるリシェさんは、どこか猫に似ていた。
「ふにゃあ……」
そのせいか、気づいたら頭を撫でている自分がいて、思わず手を止める。
「ごっ、ごめん! 勝手に撫でたりなんかしてっ!」
「……もっと」
「へっ?」
「もっとして!」
あれ、おかしいな。怒られると思ったのに……。
本当は告白は罰ゲームで仕方なくしてきただけだろうし、こんな気持ち悪い男に頭を撫でられるなんて嫌だろうに……。
同情でもしてくれたのかなあ……。
「えへへ……」
でも、それでもこんな笑顔が見られるなら、悪くないかもしれない。
なんて和んでいると、またもやサーシャが間に突っ込んできた。
「だからリシェ! こいつは“不本意ながら”あたしの使い魔なの。手を出さないでくれる?」
どうやらサーシャさんは、独占欲が強いらしい。
つまりは、僕はサーシャさんの使い魔であって、他の人に取られたくないと、そういう訳だろう。
……あれ、結局物扱いのまま?
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