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◇
「ふっ……ふはは……ついにこの時がやってきたか……!」
俺は学園に向かう道中、笑みを浮かべながらそう呟いた。
周りからは怪訝な目で見られたが、気にしない。それほどに、今の俺は高ぶっている。
何故なら、今日は――
「ねえリオくん、なんでそんなに気持ち悪い顔してるの?」
「誰が気持ち悪い顔かっ!」
咄嗟に突っ込む。いや、いつも気持ち悪いわけじゃないからな? たまたまだからな!?
「ひぅっ!? だ、だってえ……リオくんが何か呟きながら笑ってるから……」
「いや、言い方ってものがあるだろ!? それに、今日に限っては仕方ないじゃねえか!」
「いや、いつも気持ち悪……あ、そっか、使い魔召喚の儀だっけ、今日」
「前半部分はいらないよなあ!?」
今しがたこいつが言った悪口はともかく、今日は使い魔召喚の儀が執り行われる日なのだ。
故に、俺のテンションは最高潮まで達しているし、こいつ――リリスも普段よりかは幾分かテンションが高い。
いつもはこんな悪口は言わないしな。……いや、言わなかったはず。……あれ、よく思い出したら会うたびに言われてる気がする……。
「大丈夫? にやけながら暗い顔になってるけど……すごく気持ち悪いよ?」
「もうやめてっ! 俺の心はズタボロよっ!?」
ちくしょう! 絶対俺に従順な可愛い使い魔を出す! そして癒してもらうっ!
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