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そんなわけで、俺とリリスは順番がくるまで話をしていた。
その間にも、「おっしゃキター!」やら、「おい、嘘だろ……? なあ、嘘って言ってくれよ、おい……!」等々、歓声と悲鳴が飛び交っていたけど割愛。
そしてついに、リリスの番がやってきた。
「それじゃ、行ってくるねっ!」
笑顔でそう言うリリスに、「行ってこい!」と笑顔で返す。
「き、気持ち悪いよう……」
「じゃあなんて返せばよかったんだよちくしょう!!」
俺は普通に送り出したはずなんだけどなあ!
……いや、大丈夫。あれは冗談だ。だから泣くなよ俺……!
そんないつものやり取りを終え、リリスは魔法陣へと歩み寄る。
……決して、決して逃げた訳じゃない。現実から目を背けてなんていないんだからな!
「ふぅっ……」
リリスは大きく息を吐くと、詠唱を始めた。
「『我は求む。
共に生き、共に歩み、
共に闘い、我死すまで
時を共にするものを。
我は力無き人の子。
故に、他が力を得る為
、汝に語りかけん。
“我が剣となり、楯と
なり、共に勝利を手に
する友にならん”と。
――召喚(サモン)』」
リリスが詠唱を終えると、魔法陣が光を発し始める。
そして、光が収まると、そこにいたのは――
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