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女の子が泣いていても、誰も振り返ることもない。彼女が少し大きな声で叫んでも、誰も気づかない。
世の中とは、こんなものである。
「信じ……はぁはぁ、信……じ…ら…な……。」
彼女の体力では、街を抜けることはできなかった。体力の限界なのか、徐々に速度を緩め足は止まり、しまいには座り込んでしまった。
歩道の真ん中に座り、うずくまって泣き続ける。
「うっ……うぅ、ひっ…うっ……」
彼女は、いつもこうなってから気づいていた、彼の大切さに。
自分がどれくらい彼のことが好きなのかということに。
とめどなく流れる涙で、思い知るのだった。
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