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春子は、すぐに癇癪を起こす子だった。今日も、亮太郎の何でもない言葉にカチンときて、彼を叩いて逃げてきたのだ。 そして大袈裟に考えて、まるで自分は悲劇のヒロインのように、自暴自棄に陥る。 「ひっひっ……うー……」 亮太郎とは、付き合うつもりなんて、これっぽっちもなかった。 ただ今までカッコイイ人としか、付き合ったことがなかったから、何となく暇つぶしのつもりで付き合ってみただけだった。 だけれども、気がついたら1年が過ぎ、最長記録をとっくに越えてしまっていた。 それでも彼女は未だに、私はあくまで付き合ってあげているんだと思っていた。
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