1 屋上のウソツキさん

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「リハビリって……うわっ!」   ウソツキさんは自分がかぶっていた帽子を、すかさず私の頭にかぶせた。 急に手が伸びてきたので、私は恐怖で一瞬目をぎゅっとつぶり、肩をすぼませる。 「直接触れなければ蕁麻疹出ないんでしょ? この前、腕握った時も大丈夫だったし」 「そ、そうですけど……」   そのまま帽子の上から頭をワシャワシャ撫でて、 「免疫、免疫」 と言いながら自分のほうへ引き寄せ、わざと覗きこんで笑うウソツキさん。 至近距離、整った顔の奥二重の意味深な目が、私を上目遣いいでとらえる。 一気に顔に熱が集中してしまった私は、口をパクパクさせた。 「セクハラですっ」   平手打ちもできないし、手にも触れられないので、帽子を無理やり頭から剥がして、すごい勢いで離れる。
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