2 男友達

3/21
79390人が本棚に入れています
本棚に追加
/233ページ
「マジか。それなら、仕方ないな」   やれやれ、といった顔でそう言うノンちゃん。 「でも、大橋くんって中学の時から人望もあって、おもしろくて、顔も悪くないから、結構モテてたんだよー」   アサちゃんがしゃがんで私の机に手を置きながら、「もったいない、もったいない」とまた言っている。 「たしかにモテてた。でも、今まで誰かと付き合ったって噂はないよね。彼女とかできたら、かなり一途そう」   洞察力のあるナナちゃんからの評価も上々な大橋くん。 わかっている。 たしかに彼はさわやかで明るくて誰からも好かれていて、みんなの人気者だ。 私だって、いい人だなって印象を持っている。 むしろ、素敵だとさえ思っていて、自然と目で追ってしまうことだってある。 もう一歩踏みこんじゃえば、恋心になってしまってもおかしくない気持ち。 でも、それでもやっぱり無理なんだ。
/233ページ

最初のコメントを投稿しよう!