2 男友達

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2 男友達

「入学してから、ずっと好きでした。俺と付き合ってくださいっ」 「ごめんなさい」   昼休みの校舎裏。 さげたままの頭と握手を求める手が、恨めしそうにゆっくり戻される。 教室で、「ちょっといい?」と声をかけられた時からなんとなく予感はしていたけれど、やはり告白だった。   今回は、いつも以上に気まずい。 だって、同じクラスの人気者の大橋くんだからだ。 すぐ噂になって広まりそうだし、断った相手と同じクラスっていうのはキツイ。 「種田さん、好きな人いるの?」 「い、いないけど」 「お試しでもダメ?」   まるで仔犬みたいな目で私を見る大橋くんが、サクッと一歩、芝生を踏んで歩み寄る。 警戒してしまった私は、 「ごめんなさい」 と一歩さがりながら再度答えて、そのまま頭をさげて教室まで小走りで戻った。 
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