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4月。
出会いは入学式だった。
ちょうど横の席に座っていた女生徒が、式が終わったとたん私の手を握りしめた。
「……あの?」
「私、東藤真希(とうどうまき)!一緒に稼ぎませんか?」
「はい?」
「あなた美人だから、かなり稼げると思うの!私と組まない?」
「いえ、結構です」
浮かべていた表向き微笑が一瞬にして引っ込む。
危ない人だ。
無視しよう。
歩きだす梨奈だが、その女生徒は服を引っ張ったまま着いてくる。
「私が見た中で、あなたが1番いけると思う!だから!」
「遠慮します」
「分かった!じゃ、友達!友達になろう!」
「いえ、結構です」
「あぁ、私こんな美人の友達初めて!」
「……」
何を言っても無理そう…
東藤真希との出会いは、こんな感じだった。
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