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片桐が卒業してから1ヶ月ほどたったか。
季節は春。
だが桜はすでに半分以上散り、葉桜となってしまった。
国見はいつものように、学校の自分の机に向かっている。訳ではなく、喫煙室でぷかぁと煙草の煙を吐き出していた。
「俺、また3年だよ…」
横で志摩が同じく煙を吐き出している。
「大変だな」
あまり感情がこもっていない返事を返す。
「お前は持ち上がりで2年だろ?」
「ああ」
「そういや、片桐どうだ?大学どんな感じだって?」
「さあ」
「ん?会ってないのか?」
「ああ」
「あんなによく来てたじゃんか」
「そうだな」
また、ぷかぁと煙を吐き出す。
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